病院方針


院内規則
当院に受診される患者様及びご家族様には、以下の院内規則を遵守して頂きます。
本院内規則に従って頂けない場合、当院は診療を拒否させて頂き、入院患者様には規則に従い退院して頂くこともありますので、患者様及びご家族様におかれましては、本院内規則を遵守して頂くことに同意し、当院への診療申し込みをして頂くことになります。
特にお申し出がない場合には、本院内規則遵守について同意して頂けたものとして取り扱わせて頂きます。
 

 
  1. 治療、その他医療行為に関し、医師、看護師、その他当院のスタッフの指示、その他当院の定めた事項に従って頂きます。
  2. 当院の医師、看護師その他当院のスタッフや当院の関係者、他の患者様に対する暴行脅迫行為、大声を出して威嚇する行為、不当な面談要求、執拗に説明を要求する行為(電話及びメールでの要求を含む)、セクハラ行為及びこれらに準ずる迷惑行為は、理由の如何を問わず、お控え頂きます。
  3. 院長から、院外退去の指示があった場合には、当院建物および敷地内にお入り頂くことは出来ません。
  4. 上記事項に違反した場合、警察等の関係機関に通報させて頂く場合もございます。
  5. 後日のトラブル防止のため、患者様及びご家族様とのやりとりを録画、録音させて頂く場合もございます。
 
患者様の権利宣言
医療を受ける際の患者様の権利については、世界医師会が行った「リスボン宣言」の中に、医師が自己の良心に従って患者様のために遵守すべき原則が述べられています。
当院はこの宣言に基づき下記のとおり、患者様の権利宣言を行います。  平成19年4月1日改定
 
 
  1. なんびとも差別されることなく、適切な医療を受ける権利があります。
  2. 患者様は病院を自由に選ぶ権利があり、病院を代える権利もあります。また、当院の紹介状を持参して、別の医師の意見を求めることもできます。
  3. 患者様はいかなる診断手段、治療であれ、それを承諾あるいは拒否することができ、自己決定を行う上で必要な情報をうることができます。
  4. 意識のない場合、自己の意思を表現できない場合、インフォームドコンセントは法定代理人の方に行います。
  5. 患者様が未成年者、あるいは法定代理人の同意が必要な患者様であっても、患者様の能力の許す限り、意思決定に参加していただきます。
  6. 患者様の意思に反する医療行為は、法が特に許容し、かつ医の倫理の諸原則に合致する場合のみ、例外的に行われます。
  7. 患者様は自分のカルテに記載された自己の健康状態について、十分な情報をうる権利を有し、カルテ開示を求めることができます。
  8. 職員は、患者様の健康状態ならびに個人を特定できる情報の秘密を守ります。
  9. 健康や保健サービスに関して、ご自身で選択ができるよう、情報提供をいたします。
  10. 医療の場において患者様の尊厳を守り、安寧を保てるよう支援いたします。
  11. 当院は、患者様の宗教上の立場を尊重いたします。
 
医の倫理綱領
当院では、ヘルシンキ宣言、日本医師会「医の倫理綱領」(2022年3月27日採択)を遵守します。
医学および医療は、病める人の治療はもとより、人びとの健康の維持増進、さらには治療困難な人を支える医療、苦痛を和らげる緩和医療をも包含する。
医療者は責任の重大性を認識し、人類愛を基にすべての人に奉仕するものである。
 
  1. 医療者は生涯学習の精神を保ち、つねに医学の知識と技術の習得に努めるとともに、その進歩・発展に尽くす。
  2. 医療者はこの職業の尊厳と責任を自覚し、教養を深め、人格を高めるように心掛ける。
  3. 医療者は医療を受ける人びとの人格を尊重し、やさしい心で接するとともに、医療内容についてよく説明し、信頼を得るように努める。
  4. 医療者は互いに尊敬し、協力して医療に尽くす。
  5. 医療者は医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努める。
  6. 医療者は医業にあたって営利を目的としない。
     
2024年2月19日制定
 
臨床における倫理
当院では、臨床における倫理に関わる問題について、主治医が単独で判断せず、複数の医師や看護師、ソーシャルワーカーを含めた医療チームとともに、患者さん自身や家族の方々を含めた話し合いを行い、治療方針を決定するように努めています。さらに、臨床の現場で結論を出せないような倫理に関わる問題については、「倫理問題検討委員会」で、常に患者さんの意思と権利を第一に考慮した最善の方法を検討します。
その他、医療安全推進委員会など各種委員会での審議や、臨床の現場での事例検討会において、臨床における倫理の諸問題について検討を行い、患者さんの人権を尊重した対応を選択し決定しています。
 
(当委員会の目的と構成)
「倫理問題検討委員会」は、院長の諮問機関として位置づけられ、当院での日常臨床で行われる医療行為が、法律や倫理規範に則って適正に行われるように倫理面から検討を行います。関係する領域の専門家や一般の方を交えてその倫理性を多角的に検討していきます。
「倫理問題検討委員会」は、医学・医療の専門家等自然科学の有識者11名(医師5名(副院長、統括診療部長、医療安全管理責任者)、薬剤師1名、看護師3名(医療安全管理者及びACP担当看護師を含む)、臨床工学技士1名、社会福祉士1名)、倫理学又は法律学の専門家等人文・社会科学の有識者1名(弁護士)、患者又は地域住民の立場から意見を述べることのできる者1名の計13名で構成されており、院外の方、医療の専門家以外の方、男性と女性の両性が委員として加わることにより、様々な見方や考え方が反映され、審議の公平性・中立性が保たれるように配慮されています。
 
(当委員会において行うこと)
「倫理問題検討委員会」で行うことは大きく分けて三つあります。
審査(事例相談)・院内指針等の作成・職員教育です。
  • 当院で行われる医療行為によって生じるまたは生じる可能性のある倫理的問題に関する審査および事後調査
  • 臨床において生じた倫理的問題に関する事例の相談・審査および院内指針や基本方針等の作成及び提言
  • 職員に対する臨床倫理教育および教育機会の企画・運営
 
このような活動を通じて、当院で行われる医療行為が倫理的に適正に行われるよう、また当院職員が臨床において様々な問題に直面した際に倫理的な思考をもって対応できるよう、努力してまいります。

宗教上の理由などで輸血を拒否される場合の当院の対応について
札幌孝仁会記念病院では、宗教上の理由などによる輸血拒否に対し、「相対的無輸血(※1) 」の方針に基づき、以下のように対応いたします。
  1. カテーテル治療や手術などの出血の伴う治療は輸血が必要になる可能性があります。
    宗教上の理由などで輸血を拒否される患者様に対し、可能な限り無輸血治療に努めますが、「輸血以外に救命する手段がない」と医師が判断した場合には、輸血を実施いたします。
    患者様本人が意識不明の場合や代理人不在の場合など輸血の同意が得られなくても、救命を優先して輸血を実施いたします。
  2. 患者様側が提示される「免責証書」等、「絶対的無輸血治療(※2) 」に同意する文書には、署名はいたしません。
  3. 当院の方針を十分に説明し理解を得られるよう努めますが、上記の方針に対して同意が得られない場合は、転医をお勧めします。

   ※1【相対的無輸血】
           患者の意思を尊重して可能な限り無輸血治療に努力するが、「輸血以外に救命する手段がない」と医師が
           判断した場合には輸血をするという立場・考え方。
   ※2【絶対的無輸血】
           患者の意思を尊重し、たとえいかなる事態になっても輸血をしないという立場・考え方。