臨床における倫理

当院では、臨床における倫理に関わる問題について、主治医が単独で判断せず、複数の医師や看護師、ソーシャルワーカーを含めた医療チームとともに、患者さん自身や家族の方々を含めた話し合いを行い、治療方針を決定するように努めています。さらに、臨床の現場で結論を出せないような倫理に関わる問題については、「倫理問題検討委員会」で、常に患者さんの意思と権利を第一に考慮した最善の方法を検討します。
その他、医療安全推進委員会など各種委員会での審議や、臨床の現場での事例検討会において、臨床における倫理の諸問題について検討を行い、患者さんの人権を尊重した対応を選択し決定しています。
 
(当委員会の目的と構成)
「倫理問題検討委員会」は、院長の諮問機関として位置づけられ、当院での日常臨床で行われる医療行為が、法律や倫理規範に則って適正に行われるように倫理面から検討を行います。関係する領域の専門家や一般の方を交えてその倫理性を多角的に検討していきます。
「倫理問題検討委員会」は、医学・医療の専門家等自然科学の有識者11名(医師5名(副院長、統括診療部長、医療安全管理責任者)、薬剤師1名、看護師3名(医療安全管理者及びACP担当看護師を含む)、臨床工学技士1名、社会福祉士1名)、倫理学又は法律学の専門家等人文・社会科学の有識者1名(弁護士)、患者又は地域住民の立場から意見を述べることのできる者1名の計13名で構成されており、院外の方、医療の専門家以外の方、男性と女性の両性が委員として加わることにより、様々な見方や考え方が反映され、審議の公平性・中立性が保たれるように配慮されています。
 
(当委員会において行うこと)
「倫理問題検討委員会」で行うことは大きく分けて三つあります。
審査(事例相談)・院内指針等の作成・職員教育です。
  • 当院で行われる医療行為によって生じるまたは生じる可能性のある倫理的問題に関する審査および事後調査
  • 臨床において生じた倫理的問題に関する事例の相談・審査および院内指針や基本方針等の作成及び提言
  • 職員に対する臨床倫理教育および教育機会の企画・運営
 
このような活動を通じて、当院で行われる医療行為が倫理的に適正に行われるよう、また当院職員が臨床において様々な問題に直面した際に倫理的な思考をもって対応できるよう、努力してまいります。