精神科

精神科の研修は、必修として4週以上を協力型臨床研修病院にて行うものとする。

1.協力型臨床研修病院
・札幌医科大学附属病院(札幌市)
・北海道医療センター(札幌市)
2.到達目標
当科では精神疾患を扱う。それぞれの専門性を磨くことによって質の高い治療を行うことを目的とする。当科では研修医が2年間の臨床研修において、医師としての心、知識、技術の基本を修得し、適切なプライマリ・ケアが出来るようになることを目標としている。
全ての研修医が、研修終了後の各科日常診療の中でみられる精神症状を正しく判断し、適切に治療でき、必要な場合には適時精神科への診察依頼ができるように、主な精神疾患患者を指導医とともに担当し治療する。
3.行動目標
(1)症例を担当し、診断(操作的診断法を含む)、状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。
(2)向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬等)を適切に選択できるように臨床精神薬理学的な基礎知識を学び、臨床場面で自ら実践できるようにする。同時に連切な精神療法、心理社会療法(生活療法)を身につけて実践する。
(3)家族からの病歴聴取、病名告知、疾患・治療法の患者家族への説明を実践する。
(4)病期に応じて、薬物療法と心理社会療法をバランス良く組み合わせ、ノーマライゼイションを目指した包括的治療計画を立案する。
(5)コメディカルスタッフや患者家族と協調し、インフォームドコンセントに基づいて包括的な治療計画を実践する。
(6)訪問看護や外来デイケアなどに参加し、地域医療体制を経験するとともに社会復帰施設を見学し、福祉との連携を理解する。
(7)身体合併症をもつ精神疾患症例や精神症状を有する身体疾患症例を体験し、基礎的なコンサルテーションリエゾン精神医学を修得する。
(8)心身医学的診察を修得する。
(9)緩和ケア、終末期医療、遺伝子判断治療、移植医療等を必要とする患者慮ができる。
4.経験目標
(1)プライマリ・ケアに求められる精神症状の診断と治療技術を身につける。
①精神症状の評価と記載ができる。
②診断(操作的診断法を含む)、状態像の把握と重症度の客観的評価法を修得する。救急部門におい
ては、生命や機能的予後にかかわる、緊急を要する病態や疾病、外傷に対して適切な対応ができることを目標とする。麻酔科研修においては、指導医のもとで術前の状態の把握、術中・術後管理を通じて、技術を習得することを目標とする。
③精神症状への治療技術(薬物療法、精神療法、心理社会療法、心理的介入法)の基本を身につける。
(2)医療コミュニケーション技術を身につける。
①初回面接のための技術を身につける。
②患者家族の心理理解のための面接技術を身につける。
③インフォームドコンセントに必要な技術を身につける。
④メンタルヘルスケアの技術を身につける。
(3)身体疾患を有する患者の精神症状の評価と治療技術を身につける。
①対応困難患者の心理行動理解のための知識と技術を身につける。
②精神症状の評価と治療技術(薬物療法、精神療法、心理社会療法、心理的介入法)の基本を身につける。
③コンサルテーションリエゾン精神医学の技術を身につける。
④緩和ケアの技術を身につける。
(4)チーム医療に必要な技術を身につける。
①チーム医療モデルを理解する。
②他職種(コメディカル)との連携のための技術を身につける。
③他の医療機関との医療連携をはかるための技術を身につける。
(5)精神科リハビリテーションや地域支援体制を経験する。
①精神科デイケアを経験する。
②訪問看護訪問診療を経験する。
③社会復帰施設、居宅生活支援事業を経験し、社会資源を活用する技術を身につける。
④地域リハビリテーション(共同作業所、小規模授産施設)を経験し、医療と福祉サービスを一体的に提供する技術を身につける。
⑤保健所の精神保健活動を経験する。
5.教育に関する行事
(1)オリエンテーション
・研修最初の1週間に院内諸規定、施設設備の概要と利用方法、研修医心得などについて指導する。
・指導医により各種検査方法、病態に関するレクチャーを行う。
(2)カンファレンス
・精神科カンファレンスを時に応じて行う。
6.週間スケジュール

標準スケジュール
  AM PM
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