下肢閉塞性動脈硬化症
下肢閉塞性動脈硬化症とは
足の動脈が狭くなったり詰まったりして、足の血液の流れが悪くなる病気です。動脈硬化が原因で、それを悪化させる因子として高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、肥満などが知られています。重症な患者さまの予後(病気にかかった人がたどる経過や結末の見通し)は非常に悪く、適切な治療を行わないと5年で3割以上の人が死亡するといわれています。症状
最初は足が冷たいという症状(冷感:Ⅰ度)が、歩くとふくらはぎがだるくなるようになり(間欠性跛行:Ⅱ度)、安静にしていても足が痛くなる症状(安静時疼痛:Ⅲ度)に進行し、最後は足の指の間や足先などが壊死を起こし始めます(壊疽:Ⅳ度)。
症状にはそれぞれローマ数字がふられていて、症状によって重症度が分類されています(Fontain分類)。症状の進行は緩徐ですが、狭くなっている部分が急に詰まると突然安静時疼痛が出現する場合もあります。
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診断に必要な検査
- ABI(両腕と両足で同時に血圧を測定する検査)
~足の血流の低下があるかどうかを調べる簡便な検査です
- 超音波(エコー)検査
~血流や血管の狭窄の程度や部位がわかります。体に負担はありません。
- 造影CT検査
~血管の走行、石灰化、狭窄の程度や場所がわかります。造影剤を使用する検査です。
治療
病気は進行性であるため、進行を加速させている因子の治療が非常に重要です。特に糖尿病、高脂血症の治療は欠かせません。とりわけ禁煙は最も重要な治療です。足の血流を直接改善させる治療法としては以下のものがあります。
- 経カテーテル血管拡張術(カテーテルで血管を広げる治療)
- 下肢バイパス術(詰まった血管の前後に人工血管や自分の静脈でバイパスを作る治療)