医療の質指標(R06)
医療の質指標とは
医療の質指標(Quality Indicator:クオリティインディケーター)とは、一般的に臨床指標とも呼ばれており、医療の質を具体的な数値で見ることで、客観的に評価することが可能なものです。指標を分析し改善を図ることで医療の質の向上に努め、また病院の取組みを公表することで地域の方々の理解を深めていただくことを目的とし、当院における指標を公開しております。
1. 入院患者の転倒・転落発生率
1) 項目の解説
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。
原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。
転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した率と、患者さんへの傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。
2)当院の値
■2023年度 3.21‰ (‰(パーミル)とは、千分率のことを指します)
3)定義・計算式
2. 入院患者での転倒転落によるインシデント・アクシデント影響度分類レベル3以上の発生率
1) 項目の解説
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。
原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。
転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した率と、患者さんへの傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生
リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。
2)当院の値
■2023年度 0.13‰ (‰(パーミル)とは、千分率のことを指します)
3)定義・計算式
3. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
1) 項目の解説
周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることにつながります。
予防行為とは、弾性ストッキングの装着や間欠的空気圧迫法(下肢に装着したフットポンプで圧迫マッサージをすること)などを指し、肺血栓塞栓症の発生リスクが高い手術を施行する場合は、術前、術中、術後において実施することが予防対策として有効とされています。
2)当院の値
■2023年度 93.78%
3)定義・計算式
4. 血液培養2セット実施率
1) 項目の解説
広域抗菌薬を使用する際、投与開始前に血液培養検査を行うことは、望ましい取組みとされています。
また、血液培養は 1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、 2 セット以上行うことが推奨されています。
2014 年度診療報酬改定から、血液を2か所以上から採取した場合に限り、2回算定できるようになっています。
2)当院の値
■2023年度 95.07%
3)定義・計算式
5. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
1) 項目の解説
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌
(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因に
なることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進
する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
2)当院の値
■2023年度 70.25%
3)定義・計算式
6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
1) 項目の解説
現在、細菌感染を起こしていないが、手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与することを予防的抗菌薬投与といいます。
開胸、開腹を伴う手術等は、手術開始直前に抗菌薬を点滴などで投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。
2)当院の値
■2023年度 91.01%
3)定義・計算式
7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
1) 項目の解説
褥瘡は、看護ケアの質評価の重要な指標の1つとなっています。褥瘡は患者のQOLの低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。そのため、褥瘡予防対策は、提供する医療の重要な項目の1つにとらえられ、1998年からは診療報酬にも反映されています。本指標の定義は、目の前の患者が褥瘡発生する確率を見ているものであり、日々のケアの質に関わるものです。
2)当院の値
■2023年度 0.04%
3)定義・計算式
8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養ケアアセスメント実施割合
1) 項目の解説
早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮、予後改善につながります。
2)当院の値
■2023年度 99.74%
3)定義・計算式
9. 身体拘束率
1) 項目の解説
身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。施設や医療機関などで、患者を、「治療の妨げになる行動がある」、あるいは「事故の危険性がある」という理由で、安易にひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、患者をベッドや車椅子に縛ったりする身体拘束は慎むべきものです。
2)当院の値
■2023年度 3.12%
3)定義・計算式
10. 急性または慢性心不全患者に対する心臓リハビリ実施割合
1) 項目の解説
運動療法を中心とした心臓リハビリテーションは主に心臓の機能を回復させることが目的で行われますが、運動能力と体力の向上だけではなく、急性または慢性心不全の二次予防に有用であり、死亡率の低下や心臓病の危険因子「高血圧」「高脂血症」「肥満」などの改善にも効果があると言われています。当院では、心不全にて入院後、手術前日から術前評価を行い、手術の翌日から医師の指示に従いリハビリを開始していきます。ビデオやパンフレットを用いた「心不全教室」も行っており、再発防止にも取り組んでいます。
2)当院の値
■2023年度 85.89%
3)定義・計算式
11. 大腿骨頚部骨折における早期リハビリ開始率
1) 項目の解説
大腿骨頚部骨折は、安静を強いられ心身の老化を進ませることにもなります。当院では、手術翌日より専任の理学療法士・作業療法士が医師の指示に従い、リハビリテーションを開始します。手術まで待機期間がある場合は術前から受傷部以外の部位にリハビリテーションを実施し、安静による廃用症候群(筋力低下・精神機能の低下)が起こらないようにしています。整形外科専門医と看護師・リハビリスタッフが情報共有・協力して機能改善を図っています。
2)当院の値
■2023年度 95.56%
3)定義・計算式
12. DPC入院期間Ⅱ以内の割合
1) 項目の解説
DPCの各入院期間は全DPC病院のデータをもとに決定されています。入院期間Ⅱは全国の平均在院日数で設定されており、DPC病院の目指すべき指標となります。
2)当院の値
■2023年度 56.62%
3)定義・計算式
13. クリニカルパス適用率
1) 項目の解説
クリニカルパスは、医療を適切に進めるために重要な診療の道標です。全ての疾患にパスが適用されるものではありませんが、定型的な診療の部分において、パスを設定することにより、治療の効率化が実現でき、更に患者様に明確な診療情報を提供することにもなります。
2)当院の値
■2023年度 56.58%
3)定義・計算式