血管外科

対象疾患と診療の特徴
血管外科では動脈閉鎖性疾患(閉塞性動脈硬化症、バージャー氏病、膠原病血管炎など)、腹部大動脈瘤、末梢動脈瘤、急性動脈閉塞症、胸郭出口症候群(神経及び動脈性、静脈性)、血管外傷、血管奇形、静脈疾患、および動静脈シャント形成と修復など全ての血管および関連疾患を診療します。動脈疾患では閉塞性動脈硬化症が最も多く、これには糖尿病、血液透析、膠原病などによる足趾壊疽が含まれ、これらに対する下肢救済治療が全体の80%を占めます。これらに対する血管移植手術(バイパス術)では熟練した2名の医師が中枢と末梢吻合を同時に行う特徴があり、同時進行により多くの手技が行われるため合併症が少なく時間短縮がなされ良好な手術成績および遠隔治療成績を達成しております。重症血行障害により下肢切断が宣告されて受診した患者の5年の下肢救済率は95%以上に達しています。バージャー病および大動脈炎症候群などの血管炎はアジアに特有の疾患で専門的な診療を行っています。大動脈瘤は腹膜外到達法による置換を基本術式とし病状によりステントグラフト挿入術を行います。胸郭出口症候群は神経性が最も多く(>90%)、動脈性や静脈性は更に複雑な手術が必要ですが、いずれも標準的根治手術により95%の患者さんで改善が得られています。末梢動脈瘤、急性動脈閉塞症なども頻度の高い診療対象です。血管外傷は早急な血行再建により多くを救済できますが、受傷後5~8時間以内に当院に到達できることが肢救済の条件です。静脈疾患では通常の下肢静脈瘤(一次性静脈瘤)以外に、特殊な原因による二次性静脈瘤、弁形成を要する静脈うっ滞症、太い静脈閉塞症に対する血行再建などが主な診療の対象です。当科における治療は90%が手術治療ですが、疾患や病状によっては血管内治療や薬物治療を選択する場合もあります。

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主な疾患と治療方法
足趾壊疽に対する下肢救済治療
  • 糖尿病足趾壊疽
  • カテーテル治療後の治癒不全・再発
  • 膠原病による足趾壊疽
  • バージャー氏病
  • 急性動脈閉塞症および血管外傷
胸郭出口症候群
  • 定型的根治手術による社会復帰
腹部大動脈瘤
  • 腹膜外到達法による人工血管置換
  • ステントグラフト留置術
膝窩動脈瘤・膝窩動脈外膜嚢腫・膝窩動脈捕捉症候群
診療実績
主な疾患、治療方法、診療実績についての詳細は下記 笹嶋 唯博ホームページ

https://www.sasajimatadahiro.com