大動脈疾患に起因するDIC
大動脈疾患に起因するDICとは
DICとは播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)の英語の略語であり、血管内で凝固能(血液が固まる反応)が異常に亢進し、血小板や凝固因子(血液が固まるときに必要な物質)が消費された結果、凝固線溶系(血液が固まったり、出来上がった血栓が溶けたりする血液内のシステム)のバランスが崩れ、出血しやすくなる状態のことをいいます。
DICの原因はがんや重症感染症、白血病などさまざまですが、大動脈瘤や大動脈解離など大動脈疾患が原因で起こることがあり、大動脈疾患の4%に合併するといわれています。近年行われるようになったステントグラフト治療後に新たに発生する場合もあります。
血液の凝固異常が大動脈瘤によって引き起こされることは医者の間でも認知度が低く、病院に通院していても見過ごされる場合がほとんどです。 |
症状
足のこまかな点状出血が出現し、シミのように見えます。
出血しやすく、出血したら止まりづらい特徴があります。診断に必要な検査
- 血液検査
~DICの有無を確認する検査です。FDP上昇、フィブリノゲン低下、TAT上昇などで総合的に判断します。 - CT検査
~動脈疾患の有無を確認する検査です。動脈疾患が見つからない場合は、DICの原因は他にあることになります。
治療
内服による薬物治療を行います。
DICに対する薬物治療のほかに、疾患の原因となっている大動脈瘤に対して可能であれば手術を行います。
DICに対する薬物治療のほかに、疾患の原因となっている大動脈瘤に対して可能であれば手術を行います。